スタッフより

医療体制

認知症の特徴等についてご説明しますー診療課ー

年をとれば誰でも物忘れを自覚することが多くなり、個人差はありますが少しずつ脳に委縮などの老化現象がみられてきます。一方、認知症では、いろいろな原因で脳の老化が早くなり、確実に脳の神経細胞が減っていきます。しかも加齢が進むほど認知症になりやすくなります。認知症の特徴として大まかに次の4つが挙げられます。

  1. 記憶力だけでなく、判断力、理解力、実行する能力も徐々に落ちていく
  2. それが確実に進行して悪化していく
  3. 日常生活の身の回りのことが少しずつ出来なくなる
  4. 周囲の人との関係がぎくしゃくして、うまくコミュニケーションがとれなくなる

いずれにしても認知症では病気により、脳の働きが低下し、日常生活に支障が出ることで、その人が置かれた状況とうまく折り合えなくなって適切な行動がとりづらくなり、心の反応が起こりがちになります。

また、いわゆる「ぼけた」ようにみえる状態は認知症以外にも、せん妄やうつ、幻覚・妄想、躁などの精神疾患、アルコール依存症や薬物の副作用などでも生じるため、精神科での鑑別診断が必要になることがあります。これらの病態は治療や対応により回復しますが、認知症が潜在することもしばしばあります。