リハビリテーションについて
リハビリテーションとは
リハビリテーションは、発症からの期間により、急性期→回復期→慢性期に分類できます。
当院では、回復期病棟にて回復期リハビリを、療養病棟にて慢性期リハビリを提供しています。
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病棟 | 分類 | 期間 | 目的 |
---|---|---|---|
急性期 | 発症から2週間~1ヶ月程度 | 治療、機能回復 | |
回復期病棟 | 回復期 | 発症から2週間~3、6ヶ月程度 | 機能能力改善、在宅復帰 |
療養病棟 | 慢性期 | 発症から3~6ヶ月以降 | 機能能力維持改善 機能低下予防 |
各療法について
理学療法とは
- PT(Physical Therapy)
- 身体(主に足・体幹)の障害や、起きる、座る、立つ、歩くなどの基本的動作に対するリハビリテーションを提供します。
作業療法とは
- OT(Occupational Therapy)
- 身体(主に手・体幹)の障害や、食事、更衣、トイレ、入浴などの生活動作に対するリハビリテーションを提供します。
言語療法とは
- ST(Speech Language Hearing Therapy)
- 話す、聞く、理解・判断する、食べる能力に対するリハビリテーションを提供します。
リハビリテーション課紹介
基本方針
- 私たちはインフォームドコンセントを心がけ、患者様中心の医療を提供します。
- 私たちは理学療法・作業療法・言語聴覚療法による専門性を活かしたリハビリテーションを提供します。
- 私たちは各疾患に対する専門性を活かしたリハビリテーションを提供します。
- 私たちは患者様のQOL(生活の質)の向上と在宅復帰を念頭に、チーム医療を推進します。
リハビリテーション課職員(2023年4月現在)
- 常勤
- 理学療法士22名、作業療法士13名、言語聴覚士4名
- 非常勤
- 作業療法士2名、
- 事務職
- 1名
私たちの取り組み
研究実績
各部門紹介
理学療法 PT(Physical Therapy)
理学療法は主に、起きる、座る、立つ、歩くなどの基本動作能力が障害された患者様の能力を改善するためのリハビリテーションを提供します。
動作がなぜ行えないのか、その原因を多角的に捉え、より効果的なリハビリテーションを提供できるよう取り組んでいます。また、病棟と協働して生活動作の獲得を目指した取り組みや、退院後に実際の生活において動作が実用的に行えるよう、屋内外生活スペースでの歩行訓練、階段、入浴、トイレ動作等自宅環境を踏まえた動作訓練を行っていきます。
作業療法 OT(Occupational Therapy)
作業療法は、身体に運動障害や、理解・判断する能力の障害を抱えた患者様の大切な作業活動を支援する為のリハビリテーションを提供します。
大切な作業は人によって異なり、身辺動作(食事や着替え、入浴など)のみならず、家事や仕事、趣味活動など多岐にわたります。その作業活動を、患者様、ご家族様と共有、目標設定した上で「何が問題となっているのか?」「今の身体で出来ることは何か?」を患者様とともに考え、工夫しながら、再びその人らしい生活を獲得できるようリハビリテーションを進めていきます。
また、入院中の生活はもちろん、退院後の生活につなげていけるよう必要な道具や生活環境、介助方法などについてもご提案します。
言語療法 ST(Speech Language Hearing Therapy)
言語聴覚療法では、主に脳の障害により起こる言語障害(失語症、構音障害、発声障害)、高次脳機能障害、その他コミュニケーション障害や摂食・嚥下障害に対し、その人に合ったリハビリテーションを考え、提供します。
コミュニケーションや食べることは生きる楽しみです。それらに障害を持つことは、生活そのものを大きく変化させ、生活の質(QOL)を低下させます。「誰と話をしたいですか?」「何を食べたいですか?」私たちは、NST(栄養サポートチーム)や病棟と協働しながら、患者様の希望を大切にし、その人らしい生活を支援します。
回復期リハビリテーションの取り組み
脳血管疾患や大腿骨頚部骨折などを発症した患者様に対して、移動・食事・トイレ・入浴などの日常生活動作能力の向上を図り、家庭復帰を目標に専門的かつ集中的なリハビリテーションを受けることができる病棟です。
患者様を中心に、医師、看護師、介護士、医療相談員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの多職種がチームを作り、カンファレンスやミーティングを通して情報共有し、患者様一人一人に対して計画書を作成し、ご家族様と共にリハビリテーションを進めていきます。
2008年度より当院の回復期リハビリテーション病棟は、土曜・日曜・祝日も休まずに行う365日リハビリテーションを実施しております。
早期の退院を目標に積極的な訓練を行い、病棟に入院できる期間内の退院を目指し、在宅復帰率は83.83%(2020年度平均)となっています。
理学療法室
作業療法室
言語聴覚治療室
回復期リハビリテーション病棟の状況
回復期病棟入院患者の内訳(2022年度実績)
入院患者の内訳 | 脳血管障害等 | 114名 |
---|---|---|
骨折 | 92名 | |
廃用症候群 | 7名 |
回復期リハビリテーション病棟の対象となる疾患と期間
疾患 | 入院期間上限 |
---|---|
脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷等の発症又は手術後、義肢装着訓練を要する状態 | 150日 |
高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頚髄損傷及び頭部外傷を含む多部位外傷 | 180日 |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節もしくは膝関節の骨折又は二肢以上の多発骨折の発症後又は手術後の状態 | 90日 |
外科手術または肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後または発症後の状態 | 90日 |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節または膝関節の神経、筋または靱帯損傷後の状態 | 60日 |
股関節又は膝関節の置換手術後の状態 | 90日 |
慢性期リハビリテーションの取り組み
当院の療養病棟におけるリハビリテーション(以下リハビリ)は、パーキンソン病などの神経難病患者様が多いことが特徴です。
リハビリ=回復する、というイメージが強い中で、神経難病は一般的に根治することが難しく、病気と上手く付き合っていくことが大切になります。 そのような患者様に対し、私達リハビリスタッフが大切にしていることがあります。 それは「その人らしく生きる」ということです。目標を設定し身体機能や生活能力の維持・改善を目指し、患者様のニーズに応えるために、QOL(生活の質)を高めることも重要視しながらアプローチしています。
慢性期リハビリチームでは、定期的に勉強会を開いたり、外部から非常勤講師を招き知識・技術の向上を図るとともに、多職種でのカンファレンスを定例で行い、より密な連携と効果的なリハビリを展開できるよう努力しています。また、地域との連携を強め、在宅復帰を目指したり、退院後の生活をフォローできる体制づくりを強化していきます。
通院リハビリテーションの取り組み
当院の回復期病棟からご自宅に退院された患者様や、ご自宅で生活されている神経難病患者様などに対して、通院でのリハビリテーションを提供しています。
ご自宅での生活動作や環境面で困っているなど、いろいろな問題点を感じることがあると思います。そのような患者様・ご家族のニーズに応え、地域や社会において、安全かつ質の高い生活が可能となるよう、アプローチしていきます。
訪問リハビリテーションの取り組み
入院から在宅へのリハビリテーションを途切れることなく提供することで、安心して在宅生活に戻れることを目的に、平成31年4月より訪問リハビリテーションを開始しました。
訪問リハビリテーションでは、利用者様・ご家族様と共に自宅生活で困っていること、新たに挑戦してみたいことなどの共有・目標を設定させていただきます。
目標に応じて、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がご自宅を訪問し、お身体の状態やご自宅の環境を評価し、動きの改善のための運動や環境調整、また、介護指導を行い、利用者・ご家族様が、安心・安全に、自分らしく、いきいきと生活を送れるよう支援していきます。